クローンを始める前に、重要データの別バックアップと、新SSDがPCへ取り付けられることを確認します。USBでコピーできても、そのSSDから内蔵起動できるとは限りません。
この記事は、移行に入る前の確認表です。ソフトごとの画面操作は変わるため、使う移行ソフトの現行マニュアルを併用してください。故障しかけのHDDからの救出は、正常なPCの高速化とは別の作業です。
クローンとファイルコピーは何が違う?
通常のファイルコピーは写真や書類を移す方法です。Windowsを起動するための領域や設定を含めて移行するには、対応するクローン・移行機能が必要です。一方、不要なソフトや古い環境を整理したいなら、新規インストールして必要データを戻す方法も候補になります。
「クローンすれば必ず速くなる・不具合も直る」とは限りません。ファイルシステムの問題や設定も引き継ぐ可能性があります。現在のHDDに警告、異音、読み取りエラーがあるなら、先に必要データの保護を考えてください。
新SSDが内蔵できるかを先に確認
| PC側 | 必要な確認 |
|---|---|
| 2.5インチSATAベイ | SATA SSD、厚み、固定部品、ケーブル |
| M.2スロット | NVMeかSATAか、対応長、起動対応 |
| 増設できない薄型PC | メーカーの交換可否・保証条件 |
| USBで一時接続 | ケースの規格、移行ソフトのUSB対応 |
たとえばM.2 NVMe SSDを、2.5インチSATA HDDの場所へそのまま取り付けることはできません。商品名にSSDと書かれているだけでは互換性は判断できないので、PCのサービスマニュアルと型番を照合します。
容量はCドライブの使用量だけで見ない
移行対象には、起動用、Windows、回復用など複数のパーティションが含まれる場合があります。新SSDの実際の利用可能容量に、必要領域が収まることを確認します。
例として1TB HDDの使用量が300GBでも、500GB SSDへ移せるかは、ソフトが縮小に対応するか、領域の配置やファイルシステムに制約がないかで決まります。逆に同じ1TB表記でも、製品ごとの実容量がわずかに違い、完全なセクターコピーでは問題になる場合があります。ソフトの必要条件を確認してください。
BitLockerの回復キーを、移行前に確保する
Windowsのデバイス暗号化やBitLockerが有効か確認し、回復キーを別の安全な場所に保存します。移行対象のPCやドライブの中にしか鍵がない状態は避けてください。Microsoftの回復キー確認手順で、どのアカウントや保管先にあるかを確認できます。
移行ソフトによって、暗号化の解除、一時停止、対応しない構成などの扱いが異なります。ネット上の別ソフト向け手順を流用せず、現行版の対応を確認します。回復キーを記事のコメントや公開相談先へ貼らないでください。
開始前の7項目
- 重要ファイルを、移行元・移行先とは別の場所へバックアップした。
- 新SSDの規格とPCへの取り付け条件が一致している。
- 移行ソフトの対象SSD、OS、USB接続、暗号化への対応を確認した。
- 新SSD内に残すデータがないことを確認した。
- 回復キー、必要なログイン情報、復旧用メディアを用意した。
- ノートPCはAC接続し、作業が中断されない時間を確保した。
- コピー元とコピー先を型番・容量で見分けられる。
特にコピー方向を逆にすると、残したかったHDDを上書きしてしまいます。ディスク番号だけで判断せず、ソフトの最終確認画面で型番と容量を照合してください。
完了後も、元HDDをすぐ消さない
PCと移行ソフトの手順に沿って電源を切り、新SSDを内蔵して起動を確認します。取り外しが可能な構成なら、元HDDを外した状態で新SSD単独から起動できることを確認すると、古い起動領域への依存を見分けやすくなります。
ログイン、必要ファイル、アプリ、空き容量、バックアップの動作を確認し、数回の通常利用で問題がないことを確かめます。起動できない場合に備え、元HDDは内容を変えず保管してください。コピー終了表示だけを見て、すぐ初期化するのは避けましょう。