イベントID 158(disk)は、複数のディスクデバイスに同じGUIDなどの識別情報が割り当てられている事象を示します。まず確認するのは、ディスクの故障ではなく、接続経路や仮想ディスクの複製履歴です。このログ単独で故障を断定することはできません。
エラー表示を見て、すぐに初期化や識別子の変更をする必要はありません。Microsoftの資料は、対象のクライアント環境では、このイベントメッセージ自体に機能・性能への影響はないと説明しています。ただし、ファイルが開けないなど別の不具合まで問題ないという意味ではありません。
イベントID 158が意味する「同じディスクGUID」
GUIDは識別に使う値です。MicrosoftはEvent ID 158について、2つ以上のディスクデバイスに同じディスクGUIDが割り当てられた事象と説明しています。資料中には、シリアル番号やpage 83 IDなど、同一の識別情報が複数のディスクで共有されているという説明もあります。
ここで分けたいのが、「複数の物理ディスクがある」場合と、「1台の物理ディスクが複数の経路から見えている」場合です。同じ識別情報が見えるという結果だけで、どちらの構成なのかは決まりません。
根拠資料の本文はWindows 10を対象として書かれています。Windows 11で同じ番号を見つけても、本文や接続構成を照合せずに、資料の対処がそのまま使えると判断しないでください。
ログの全般・詳細で残しておく情報
最初に、手元のイベントのソースが disk、イベントIDが 158 であることを確認します。番号が同じでも、別のソースならこの記事の対象とは分けて調べます。
「全般」のメッセージ欄では、ディスクの識別情報が重複しているという内容かを読みます。発生日時、ログ名、レベル、表示されたデバイス番号や識別値は、その画面にある表記のまま控えてください。後で相談する場合は、本文だけでなく「詳細」の内容も一緒に残すと、説明中の値を取り違えにくくなります。
参照したMicrosoft資料には、イベントXMLの完全な例やフィールド一覧はありません。そのため、資料に登場する「Device Serial Number」「Vendor ID」「Product ID」が、そのままイベントの詳細欄に存在するとは言えません。表示されていない値を探して設定を変更したり、別のディスクの情報で空欄を埋めたりしないでください。
また、この資料の原因説明を、実際のイベントメッセージの原文として引用することも避けています。日本語・英語の文面が一致するかだけでなく、ソース、番号、重複についての記述を合わせて照合するのが確認の出発点です。
原因の切り分けは「複数経路」「VHDの複製」「どちらでもない」
Microsoftは、起こり得る状況のうち代表的な2例として、MPIOが有効でない複数経路の接続と、コピーして作成したVHDを挙げています。この2例だけが原因という説明ではありません。
| 状況 | 確認するもの | 判断できる範囲 | 次の行動 |
|---|---|---|---|
| 同じ物理ストレージへ複数の経路がある | ストレージの接続図、管理者が把握するMPIO構成 | 公式資料の複数経路の例に該当するか | ストレージ管理者に構成と対応方法を確認する |
| 仮想ディスクをコピーしてVMを作った | VHDの作成・複製履歴と対象VM | 公式資料の識別情報を引き継ぐ例に該当するか | 仮想環境の管理者と、対象ディスクを先に特定する |
| 一般的なPCで、どちらにも心当たりがない | 接続機器、直前に行った変更、イベント全文 | この資料だけでは原因を決められない | ログと構成を残し、PC・ストレージのメーカーへ確認する |
| ファイルへのアクセス不能などもある | 発生時刻、実際の症状、同時刻の別ログ | 158だけを症状の原因とは断定できない | 重要なデータの保全を優先し、併発症状を分けて相談する |
複数経路で同じディスクが見えている場合
Microsoftの説明では、同じ物理ディスクに複数の経路があり、MPIOが有効でないと、利用できる各経路から同じデバイスの識別情報が提示されます。資料はこの条件に対してMPIOの有効化を案内しています。
ただし、ここから「Windowsの機能の画面でチェックを入れればよい」という操作までは確認できません。OSやストレージの構成を確認せず、一般的なノートPCにもMPIOを追加する手順として読み替えないでください。対象が共有ストレージなら、接続を変える前に管理者に確認します。
VHDをコピーして作った場合
VHDファイルをコピーして新しい仮想マシンを作ると、内部構造が変わらず、同じディスクGUIDや識別情報を引き継ぐことがあると資料は説明しています。
Microsoftが示す対処の入口は、Set-VHD の ResetDiskIdentifier パラメーターです。しかし、取得した資料だけでは、読者の仮想ディスクに対する実行条件や復旧方法まで確認できません。そのため、ここに実行用のコマンドや仮のファイルパスは載せていません。
変更を検討する前に、どのVMがどのファイルを使うかを特定し、現在の構成とバックアップを確認してください。識別子を変更する作業は、対象環境の公式手順を確認できる管理者に相談する段階です。バックアップがあっても、すべてのデータを復旧できる保証にはなりません。
エラーを消すより、変更が必要な状況かを見極める
158だけが記録され、資料の説明と合う構成で、実際の操作に支障もない場合は、ログを消すことだけを目的にディスクへ変更を加えないでください。「同じ番号が出た」ことと「今すぐ変更が必要」なことは別です。
一方、ディスクにアクセスできない、必要なデータを退避できないなどの症状がある場合は、識別子を何度も書き換えて試す段階ではありません。可能な範囲でデータを保全し、追加の変更を控え、イベント全文と接続構成をメーカーや管理者に渡します。相談時は「158が出た」だけでなく、複製・接続変更をした日時と実害の有無を伝えてください。
参考情報
- Microsoft:Event ID 158 is logged for identical disk GUIDs — GUID重複の意味、影響の説明、代表的な原因2例と対処の入口を確認しました。記事中の画面操作やコマンドを実機検証したものではありません。