自作PCにおいて、電源ユニット(PSU)はすべてのパーツに電力を供給する重要な役割を担っています。適切な電源ユニットを選ぶことで、PCの安定動作や寿命に大きく影響します。この記事では、初めて電源ユニットを交換する方に向けて、選び方と規格の調べ方をわかりやすく解説します。
1. 電源ユニットの役割とは?
電源ユニットは、家庭用の交流電源(AC)をPC内部で使用される直流電源(DC)に変換し、各パーツに安定した電力を供給します。品質の低い電源ユニットを使用すると、電圧の不安定や過熱などの問題が発生し、最悪の場合、他のパーツを損傷させる可能性もあります。
2. 電源ユニットの規格とサイズを確認しよう
電源ユニットにはいくつかの規格があり、主に以下の2つが自作PCで使用されます:
- ATX規格:標準的なサイズで、ミドルタワーやフルタワーケースに適しています。一般的なサイズは幅150mm × 奥行き140mm × 高さ86mmですが、奥行きは製品によって異なる場合があります。

- SFX規格:小型のPCケース向けのコンパクトな電源ユニットです。サイズは幅125mm × 奥行き100mm × 高さ63.5mmが一般的です。SFX-Lという奥行きが長いバージョンも存在します。

電源ユニットを選ぶ際は、PCケースが対応している規格とサイズを必ず確認しましょう。ケースの仕様書やメーカーのウェブサイトで対応電源規格を調べることができます。
ここでアドバイス!
ちなみにほとんどのゲーミングパソコンやデスクトップパソコンの電源ユニットの規格は【ATX規格】である場合が多いです。
ATXは大きい方ですね。
簡単な見分け方は、パソコンのケースの横幅を定規かメジャーで測ってみてください。横幅が20CMを超えているケースの場合、
ほぼ100%ATX規格なんです。
SFXは手乗りサイズなので、ひと目でわかると思います。あと、細長い見た目をしてます。
正方形に近いのがATX、長方形に近いのがSFXですね。
3. 必要な電源容量(W数)を見積もろう
PCの構成によって必要な電源容量は異なります。一般的な目安として、以下のように考えられます
- ライトユーザー(オフィス作業やウェブ閲覧):300W〜450W
- ミドルレンジユーザー(軽いゲームや動画編集):500W〜650W
- ハイエンドユーザー(高負荷のゲームや3Dレンダリング):700W以上
また、将来的なアップグレードや電力の余裕を考慮して、必要な容量よりも少し多めの電源ユニットを選ぶと安心です。ドスパラの「電源容量計算機」を利用すると、パーツ構成に応じた推奨電源容量を簡単に計算できます。
4. 電源ユニットの効率と認証をチェック
電源ユニットの効率を示す指標として「80 PLUS認証」があります。これは、電源ユニットが一定の負荷時にどれだけ効率よく電力を変換できるかを示すもので、以下のようなランクがあります:
- 80 PLUS:基本的な効率(80%以上)
- 80 PLUS Bronze:82%以上
- 80 PLUS Silver:85%以上
- 80 PLUS Gold:87%以上
- 80 PLUS Platinum:89%以上
- 80 PLUS Titanium:90%以上
一般的な用途であれば、コストパフォーマンスの良い「80 PLUS Bronze」や「80 PLUS Gold」認証の電源ユニットがおすすめです。
ゴールドから上のプラチナは2%、さらに上のチタニウムは1%しか上がらないので予算がある方以外は
費用対効果が低いでしょう。
昔はGoldがそこまで多くありませんでしたが、
最近ではGoldもかなり一般的になってきたので、正直ここにはそこまでこだわる必要はありません。
80PLUS認証の内容な電源は避けたほうが無難でしょう。
5. ケーブルの種類と管理を考慮しよう
電源ユニットのケーブルには、以下の2種類があります:
- 直結型(ノンモジュラー):すべてのケーブルが固定されており、使用しないケーブルもケース内に残ります。価格は安価ですが、ケーブル管理が難しい場合があります。
- モジュラー型(フルモジュラーまたはセミモジュラー):必要なケーブルのみを接続でき、ケース内をすっきりと保てます。価格は高めですが、エアフローの改善やメンテナンスのしやすさなどの利点があります。
初めての自作でケーブル管理に不安がある場合は、モジュラー型の電源ユニットを選ぶと良いでしょう。
6. 電源ユニットの規格を調べる方法
現在使用している電源ユニットの規格を調べるには、以下の方法があります:
- 電源ユニットのラベルを確認:電源ユニット本体に貼られているラベルに、規格や出力容量、各種認証などの情報が記載されています。
- PCケースの仕様を確認:PCケースのメーカーやモデル名を調べ、公式サイトや取扱説明書で対応している電源ユニットの規格を確認します。
- メーカー製PCの場合:PCの型番をもとに、メーカーのサポートページで仕様を確認することができます。
まとめ
電源ユニットは、PCの安定性や寿命に大きく影響する重要なパーツです。
安価な電源は寿命が短い傾向にあり、高価な電源は寿命が長い傾向にあります。
3~5年持てば十分と考える方は安価な電源でもいいと思います。
なるべく壊れてほしくない、壊れたときの交換が面倒だと感じる方は、
極力、お高め高品質な電源ユニットを買っておいた方が幸せになれるでしょう。
初めての交換でも、以下のポイントを押さえて選べば安心です。
- PCケースに対応した規格(ATXやSFX)を選ぶ
- 必要な電源容量を見積もり、余裕を持った容量を選ぶ 無理をさせると寿命も短い。
- 効率の良い80 PLUS認証の製品を選ぶ 最近はほとんど80プラスなので気にしなくてもよい
- ケーブル管理がしやすいモジュラー型を検討する ただし、初心者はノンモジュラーの方がいいかもしれません。